医水民の日常

横浜市立大学医学部水泳部のブログです。

すごく新入生に入って欲しそうなブログ記事

今日は段々と、水泳に関係のない話をします。

 

まず、ローリングについて真面目に書く

 水泳を始めるとまず最初に「伸びろ」といわれると思いますが、要するにそれがローリング。慣れないうちは腕にばかり意識が向くと思いますが、実際は体幹部が回旋運動(厳密にはただの回旋ではない)して、それに伴い重心移動が起きる。だから伸びている間に体が進むわけです。

 ローリングは想定する距離や速さによってだいぶ形を変えます。

 両者に共通して言えることは、肩がどれだけ水面から出ているかが重要になるということ。肩が水面から出れば出るほど水の抵抗が減ります。

 ゆっくり泳ぐ場合、半フリなどに比べるとどうしてもボディポジションが落ちてしまうので、大きくローリングして傾斜角度を大きくすることで肩を出します。なので入水後、腕を伸ばす位置は肩幅よりかはやや狭目。(実際には肩幅ですが、ローリングが大きいせいで感覚的には内側に入っているように感じます)頬に肩が触れるくらいがいいと思います。腕が内側に入れば入るほど、ローリング角度が急になり、肩が出て、抵抗が減ります。

 一方で速く泳ぐときは、そもそものボディポジションがあがる。(それでも低い人もいる)なので体を回旋させるような動作より、這うようにしてあまり体を傾けない泳ぎのほうが抵抗が少なくなります。巷ではこういう動作をローリングと区別してローテーションとよぶそうです。当然入水位置は肩幅か、それよりやや広いくらい。俗に言う、二軸泳法やフラットスイムがこれを使った泳ぎだと思います。肩と股関節を結んだ左右二本のラインに交互に体重を乗せるイメージ。僕もちゃんとできているわけではないので偉そうなことは言えませんが、なんだか水泳っぽいフレーズが頻出して、泳ぎたくなったという人はプールへgo。

 

一見ローリングについて書いているようで、まったく関係がない

 僕もローリングは日常的にします。例えばスマホを見ながら少しはなれたポテトチップスを食べるとき。コツは重心移動です。できるだけ腕の力を使わずに体幹の力で進めるといいでしょう。僕はもともと国内トップ選手だったので、ナショナル合宿に参加したこともあります。そこでは強豪大学、強豪クラブから集まった一流の選手たちがyoutubeでも再生しながら、はるかかなたのスナック菓子目指して、ごろごろ転がっていました。ちなみに、うちの母もローリングが得意です。日常的にやってますからね。

 

村上春樹テイストでローリングについて書く

 ある冬の晴れた昼下がり、彼女は度重なるローリングにうんざりした後だった。

 彼女は右に19768回、左に19734回ローリングした。差分の34回の間に何があったのか、僕にはわからない。

「それだけローリングして、分かったことはある?」

「ひとつ確実なのは、私が水泳に向いていなかったということ」

 

川端康成テイストでローリングについて書く

 ローリングすると、雪国であった。

「ということは、寒中水泳ですか」

 葉子の吐く息がゆっくりと溶けた。夜の底が白くなった。

「きっと温水プールは工事してるんだよ」