医水民の日常

横浜市立大学医学部水泳部のブログです。

僕が水泳を通して学んだこと

6年生最後のブログリレーを引継ぎました、豊田です。8/7の石賀君の文章から始まったこのリレーですが、どうやら日記は1日1回しか書けないということで、3人の中ではスタートから既に、前日練習の日には間に合わないことが決まっていました。ごめんなさい。
これからもこんなリレーが毎年あるとしたら、人数の多い代は気を付けて下さいね。3人でこんな始末ですから笑


そして、石賀君、仁禮君の文章に続いて何を書くべきか。
とりあえず書いてみましたが、これは東医体の前には相応しいものではなくなってしまったかもしれません。自分がどう水泳と向き合ってきたか、そして部活に対してどんな思いだったか、そんな仕上がりになってしまいました。どうぞ試合に向けてテンションマックス!という時には読むのを控えて頂いて、あとは、そのまま忘れてしまって下さい。予め、御願いしておきます。


では、ここで改めて自己紹介をさせて頂きます。スイマーとして所属をしております、6年の豊田です。
出身校は駒場東邦で、中高一貫校の中学1年生から水泳部に所属していました。中学の入学と同時に水泳部を選んだ理由は、小学生の時に水泳が大の苦手で5mも泳ぐことが出来なかった自分を変える為でした。今でこそ、それなりに泳げるようにはなりましたが、当時は『水泳=『飲水&窒息の時間』というぐらいに泳げず、まともに50m泳げるようになったのは2,3ヶ月経ってからだったように思います。入部した時の同期は7人ぐらいだったと思いますが、一緒に水泳を始めた1人を除いて、残りは全員自分より速く、泳いでは横から抜かされる日々を半年は続けました。そして半年経って、1年生コースから今度は先輩達と同じコースに割り当てられることになりました。駒東は当時、泳法別にコースを割り振っていったので、飛び込み嫌いから専門をBaに決めていた僕はBaコースに配属されました。ここまででやっと人並みに泳げるようになり、自信を持ちつつあったはずが、今度は100mのBestが20秒以上も速い先輩達しかいない環境に。自分が速くなっても先輩も速くなっていき、いつまで経っても追いつくことは出来ませんでした。その内、後輩も入ってきて、次第に後輩からも追いかけ回される日々に。気がつけば1年生の時から23秒もBestを更新(100mBa 1'40 → 1'17)したにも関わらず、人には自慢出来ないような仕上がりのまま引退を迎えていました。


横市に入ってからは、バスケ部かテニス部に入るつもりでしたが、ふと頭によぎったのは中高の先輩が水泳部に所属されていたことでした。そこで、医学部入学への遅れをとった自分が運動部に所属するなら、先輩がいらっしゃる環境の方がやり易いかなとの思いで、水泳部への入部を決めました。こんな理由だったので、水泳自体へのモチベーションも大してなく、4月の頭から練習こそ出るものの、特別な目的意識はないまま時間が過ぎて行きました。何の為に部活に所属するのか、いっそのこと早めに退部してしまおうかと思うことばかりだったと思います。そして、こういった態度は、表に出てしまうもので、入部早々から僕は大変な問題行動を起こしてきました。
自分が幹部を終えた時、2つ上の横井さんに「豊田は変わったな。」と言われました。最近も荒木に、「豊田さんも昔は色んなことやってきたんですよね?」と訊かれました。その通りです。
書けないこともありますが、1年生の4月の後半には横井さんから本気で怒られ、5月の後半には別の先輩に「辞めたければ辞めても良いと思うよ」とアドバイスをもらい、6月の中盤には当時の主将からマネージャーさん達の目の前で怒鳴られました。5年間と少し部活に在籍していますが、1年生の内にここまでの仕上がりだった部員は今まで見たことがありません。きっと僕だけでしょう。
こんな黒歴史は今後、もう語ることはないかと思いますが、これからの医水で「この新入生は問題児だぞ」と思うような子が入ってきたら、以下のことを思い出してみて下さい。


1. 基本的にレセプションは家が遠いからと言って帰る。
2. 練習中に後ろを泳いで何度も足を触ってくる4年生に対して練習中にキレる。
3. じゃんけんで負けたにも関わらず、医科歯科戦で飲み物リレーを拒否し、5年生の追尾を振り切って飲み物を飲まずターンして帰る。その後、3年生と本気の喧嘩をする。
4. 6年生からの花火の誘いをバイトでお金を稼ぎたいのですいませんといって断る。


きっと、その新入生は、こんなことはしないでしょう。その子は僕よりは良くできた1年生です。しばらくは優しく見守ってあげて下さい。きっと何年か後には心から反省して、行動を改めていることと思います。
先輩方、同期の皆さん本当にすいませんでした。ここに改めて5年分の反省をしておきます。


余分な文章を挟みましたが、問題を起こしながらもとりあえず、僕はその後も部活を続けさせてもらいました。Style1の1番欲しいタイムが1年生の2月に出てから、4年生になるまで1度も更新出来なかったけれど、また、時に勉強やバイトの方が尊いと思い、部活なんて単なる学生の贅沢なんじゃないかと思う日もあったけれど。とにかく続ける意味があるような気がして、続けてみました。そして今になって振り返ってみると、僕が部活を続けてきた意味は、やはり水泳のタイムというよりも、人との関係を切りたくなかったからだったように思います。自分のことばかり考えていた1年生の時に比べて、部活で色々な人と出会い、怒られたり、時に頼られたりしながら、いつの間にか人としての成長をさせてもらったような気がします。いつどの時に、自分のタイムがどうだったか、何に一生懸命だったかというのは覚えていないけれど、人との思い出は今でも思い出されます。


2年生の時、基礎の難しい授業を聞きながら、解剖や組織の実習に追われる1年間だったけれど、今でも尊敬し、素晴らしいと思える主将(横井さん)に憧れて練習についていった。いつも勉強のアドバイスをくれる1つ上の先輩の存在は有難かった。9月から早くも幹部になった同期の看護科の子達が頼もしく見えた。初めて6年生と800継を泳いで、速さだけでないリレーの意味を感じられた。


3年生の時、自分達が幹部になるということにプレッシャーを感じ始めてから、当たり前のように部活を運営してくれていた先輩達の有難さを感じた。4月、新入生のマネージャーが全然入らず、9月からの自分達の代はマネージャー不在で部活を回さなくてはならないのかという不安の中、続々入部をしてくれたマネーズ(宮下、平田、北井)と、スイマーが少なくなっていた中で1人入ってくれたシブミホの存在が心から有難かった。水泳初心者でカチカチの泳ぎしか出来なかった藤岡マイマイが、どんなに辛い練習でも決して休まず、部活に食らいついていくことに後輩ながら心から尊敬の念を抱いた。試合で他のコースの人にどんなに置いていかれても、一生懸命泳ぐその姿勢に、とにかくこの人の努力が報われて欲しいと思った。そして、心細かった医学科1年生の中に途中から荻窪さんが入ってくれて、安心した。当時はこの代が2人になるなんて思わなかったけど、途中入部ながら遅れを取り戻そうと必死に練習に向き合う彼女が入部してくれて本当に良かったと思った。ただでさえ大変なはずなのにBuを専門にして、東医体で結果を残したいという姿勢に、懸命な前向きを感じた。


4年生の時、自分が6年生の時の幹部になる新入生が入ってくれたことが嬉しかった。医学も看護もメンタルの弱そうな人ばかりだなと思ったし、きっと辞めてしまうと思った人もいたけれど、みんな頑張って夏を迎え、その後も文句を言いながらでも頑張って部活を続けていると噂を聞くのが楽しかった。小田さんは、藤岡さんと同じように水泳初心者でぎこちなく泳いでいたし、大人しい人なのかな?部活は苦しくないのかな?と心配になったこともあったけど、ひた向きに練習と向き合うその姿勢に、いつの日かこの人の努力も絶対に実を結んで欲しいと思った。そして次第に、自分なんかよりも強い強い芯のある人だと気がついた。三間さんは、速いスイマーながらも、何だかそのプレッシャーに押し潰されそうてしまいそうで、いつも折れてしまいそうだった。今思えば、あの時の看護スイマーは相当に早かったし、そのプレッシャーは当然だったのかもしれない。速いからこそ耐えなければならない自分との戦いに良く耐えて、頑張り抜いたと思う。


5年生の時、部活にも行っていないのに、名前を覚えてくれている新入生達が頼もしく見えた。とにかく人数が多くて、名前と顔を覚えるのも大変だったはずなのに、気が付いたらその存在が当たり前になっていて、不思議な感じだった。医学科は仲良く、一人一人のキャラも濃いイメージ、マネさんは明るくてしっかりしたイメージ、小島さんは爽やかな笑顔と随分速いスイマーというイメージ。彼等のイメージは今もそんなに変わっていないけれど、やっぱりどこか、どの学年にもない明るさと頼もしさを感じた。東医体で1つ下の代の幹部の引退は、なんだか自分達のときよりもずっと立派に見えて、本当にお疲れ様でしたと労いたくなった。荒木、石阪さん、鳴釜さん、卓雄、一人一人のコメントが印象深く残って、長野まで見に行けて良かったと思った。1番近くにいた1つ上の先輩達の引退・卒業は全然寂しくなかった。この人達なら、どうせまた会えるだろうなと変な安心感を感じるところまできていたから。


そして、6年生の今、水泳をもっと続けていれば良かったなと後悔する一方、改めて自分が部活を通して得たものは水泳という競技そのものの中にはなかったから、こんな6年間でも良かったかなと思います。
自分のタイムを0.01秒でも更新したいという気持ちはないけれど、1年生は部活楽しめているのかな?とか、幹部はうまくやってるかな?とか、次幹部の代はもうプレッシャー感じてるのかな?とか、あの人はBestタイム出せたんだろうか?とか、そんな感じで水泳そのもののことよりも、頑張る部員のことをひっそりと考えている方が自分の性にあっている気がするから。そして、それが自分が部活を続けた理由だと思うから。
きっとそれぞれに部活に対する思い入れは違って、何を重視し、何の為に所属しているのかも違うと思いますが、僕は自分自身の中で水泳部に所属した意味を見つけられたような気がするので満足しています。皆さんも、どこか迷うようなことがあったら、自分なりの意味を見つけて、どうかそれを胸に頑張って下さい。きっとどんな形であれ、続けて良かったと思えると思います。


そして長くなりましたが、
最後に、8/4の看護大会、看護科の皆さんは本当にお疲れさまでした。1日でかなり厳しいスケジュールの中、Bestが出せたり、メダルが取れたりと、側から見ていても感動させてもらいました。満足がいった人もそうでない人もいるかもしれませんが、きっとやり遂げたからには、綺麗な良い思い出になっていくと思います。本当にお疲れ様でした。
そして、医学科の皆さん、東医体の前にこんな文章を書いてしまって、場違いかなとも思いました、ごめんなさい。しかし、とにかく僕は、これまでの部活生活を通して知り合えた、後輩・同期の皆さんが全力を尽くして、Bestを出してくれることを心から願っています。自分を信じて、頑張って。辛いときは、応援してくれている人達のことを思って、頑張って。きっと皆さんの努力が実を結ぶことを願っています。
どうか、全員が達成感を得られたと思えるシーズンの締めになりますように。
お互い、最後まで頑張っていきましょう!
                        おわり