医水民の日常

横浜市立大学医学部水泳部のブログです。

スタート台から見た景色

久々にブログがまわってきました。
NSAが怖いと話す教授が執筆した感動的な日記の後では、随分ハードルが上がってしまうものです。残念ながら彼のように文才を持ち合わせてはいないので、思ったことをいくつか書いていきたいと思います。少し長くなりますが、よろしければ最後までお付き合いください。


今日は今季最後の自主練でしたが、参加したみなさんはいかがでしたでしょうか。
僕は採用試験があったので、最後にちょびっとだけ顔を出す形になってしました。家路へとつく人たちを背に、一人遅れて監視室に入ると、そこにはプロテインを調製中の鷲見がいました。
「今日は石賀くん来てた?」
ふと気が付くと、まず同期を探す自分がいました。部活という場にわざわざ足を運びながら、実はただ単にマッチングを共に乗り越える存在を欲していただけなのかもしれないと、少し反省しました。
ほどなくして鷲見が立ち去り、ふとプールへと目を向けてみると、シートがかかったプールにはひたすら“水夢 -Victory Ceremony-”が流れ続けていました。表彰で流れる曲ということもあり、聴くとなんだかこれまでの練習を思い出すような、全てが終わってしまって哀しいような、そんな気持ちになります。


“みんなと一緒に東医体に向けて泳ぐことも もうないんだ…”


看護大会、そして最終練を終えてもなお、頭ではわかっていても、なかなか実感がわかなかったこの思いがふと頭をよぎりました。


東医体のプログラムをみてみると、自分の周りには例年と同じような顔ぶれが並びます。でも、よくみると自分の名前の横には“大6”の文字がありました。やっぱり今年が最後です。全学水泳部から岩手医科大へと転身した港くんの横に書かれた“大1”の表記が羨ましく思えました。
これまでの6年間、他大も含め多くのBr専門の先輩を見送ってきましたが、気づけば今度は自分の番でした。これまで色んな人を目標にし、泳ぎを観察しては盗まんとしてきましたが、それと同じくらい慕ってくれる同期や後輩たちがいると思うと、なんだか感慨深くもあります。


Brという種目にこだわり続けてきた6年間でしたが、よくよく思い返してみると、1年の医科歯科戦で50mBrを泳ぎ、当時の幹部でBr専門だった晴さんと蔵成さんに“Brを専門にしてみたらいいんじゃない”と勧めてくださったのが、そもそものきっかけだったと思います。
Brを練習で泳いでいくうち、何人かの方から“ぜひFrとか他の種目もやるともっといい”とアドバイスいただきました。でもいざバタ足をしてみると、両側の大腿四頭筋を肉離れして断裂癖がついた苦い思い出がふと蘇って足が止まってしまったり、もともと胸郭が大きくないこともあって、やっぱり呼吸が楽な方がいいなと思ったりして、泳ぐのはIMに留まっていました。
幹部になってからは、ベスト表を埋めるためにも積極的にBaやFlyにも手を付けましたが、結局試合でまともにFrをエントリーすることはなく、Frのベスト表は空欄が多い現在に至るわけです。
今さらではありますが、僕はリレーといえばMRばかりで、あまりFRに熱くなった覚えがなかったように思います。もちろん、FRをないがしろにしたことなんてありませんが、もう少しFrそのものに親しみをもっていれば、もっとFRに熱く、そして熱い思いを胸に夏を迎えられたと思います。

最後の東医体に、6年の3人と倉掛でつなぐ800mFRをより楽しむためにも、これまでのFrに対する思いを胸に、ラスト200mを泳ぎきれればと思います。


最後の東医体ということもあり、思い入れも、楽しみ方もきっとひとしおだと思います。個人種目でベストを狙うのはもちろんですが、800mFRと同じくらい楽しみなのが、豊田、鷲見、マックと泳ぐ400mMRです。
久々に豊田から引継ぐレースということもあり、リレメンに新しい風が入りつつもどこか昔懐かしいMRになると個人的には感じています。楽しみつつも、東医体一発目からいいタイムが出ることを期待したいです。


1年半のブランクを経て、4月から本格復帰した身ではありましたが、新しく入った一年生含め、みんな誰しもが暖かく迎え入れてくれて、本当に感謝しています。当初の予想以上に現役時代のタイムへと近づき、今や2年前のベストタイムを更新できそうなところまできました。

もう一度、短水路でベストを更新できる機会があればよかったな…とか、またもう一度ベストメンバーでMR泳ぎたかったな…という思いはありますが、“これまでで最高の状態に今ある”という自負の下、最後の東医体を迎えたいと思います。


看護スイマー、マネージャーのみんなへ
遠征中はいろいろとお手数をおかけしてしまうけれど、これまで共に練習を乗り越え、そしてタイムを取ってくれたこと、本当に感謝しています。

医学科のみんなへ
それぞれ、東医体に臨む思いは違うと思います。初めての大会であれば、まずは雰囲気を感じ取って、来年以降の糧にして欲しいし、昨年悔しい思いをした人はぜひリベンジを果たして欲しいです。一年前の自分と何がどう違うのか、それを噛み締めながら自信を持ってレースに出場しましょう!


 スタート台からその先にある、花道へ。