医水民の日常

横浜市立大学医学部水泳部のブログです。

勇気はタダであげます

大きい大会の前後の自分は大体決まっている。三日前くらいから食欲がなくなり、二日前になるともっとしておけばよかったなとあれこれ後悔する。そして前日の午前中は早く終われと祈るようになり、午後は無口になる。そして当日になってようやく武者震いがはじまる。
医水に入って4度目の大会前もいまのところは例年通りのようだ。気付けば現役最後の夏。秋からもう一度主将をやるのかと思えるほどあっという間だった。振り返ると本当に夢の如し。きっと明日からの大会も終わってしまえば夢のように思うのだろう。あっという間に過ぎてしまうからやってきたことを一つ一つ思い出すためにブログを書くんだろうな。

僕も明日のことを考えると吐きそうになるのだが、皆も同じだろうから少しだけ勇気のでる話でもしますか。

僕も1年の頃は水泳の初心者だった。医科歯科戦のタイムが36秒くらいでいまより7キロくらい軽く、ひょろかった。初めて30秒をわったのは2年の東医体の2継のAチームで泳いだ時。前の晩は緊張し過ぎて、荒木さんが心配して部屋まで様子を見に来てくださったのを覚えている。去年は2継のBチームで26”92だった。泳ぐ前に木下にめっちゃ煽られた結果、予想以上に速いタイムを出したためAチームのメンバーを逆に煽ることになった。あの時の余韻は大会後1週間ぐらい続いたなあ。
そしてあっという間に4年の夏になってしまったが、今年は決勝に残ることを目指している。

遠い存在だった横市のエース達にももうすぐ手が届きそうと思うと、胸が高鳴る。最初は全然わからなかった水を掴む感覚、足裏も使って打つキック、入水したときに肩をぐっと前に入れる感じ。速くなるために必要な技を一つ一つ覚えていって速くなった。どれか一つだけではタイムは変わらず、すべてがうまく合わさったときに一気に速くなる。2年から3年にかけて3秒縮めた。今年は去年より厳しい練習をしてきたんだから結果がとても楽しみ。
ここまで来れたのも、やっぱり僕一人の力ではなくチームでやってきたからだ。大会で決勝に残る先輩や同期が格好よ過ぎていつかは自分もと密かに思いはじめ、リレーの時にやたら速く泳ぐ先輩と後輩から人のために泳ぐと強くなることを学び、同じぐらいの泳力だった後輩達がどんどん速くなるのを目の当たりにして頑張る奴は必ず報われるんだと信じるようになった。
振り返ると随分遠くまできたな。
今年は特に、主将をやってきたから山と谷の多い道のりだったと思う。最初は不安だった。一時期は9の玉でジャグリングをするほど危ういときもあったが、いまでは少しいびつだがなんとか一つの玉にうまく纏まったと思う。例年より我武者羅な幹部だったかもしれないがその辺は許してくれ。一度、先輩にうちらの幹部は我が強いって愚痴っぽく言ってしまったことがあるが自分を持ってるんだろって返されて確かにって思ったことがあった。悩むことも多かったけど、みんなが信念を持っていたから曲がりなりにも部活として正しい道を歩めたんだと思う。目も当てられないときもあっただろうがそれでも信じて付いてきた部員の皆には本当に感謝している。

その感謝の気持ちは僕の泳ぎで表すので見ていてください。ゴーグルの下では泣いているかもしれないけど少しくらいなら大丈夫、飛び込みで水が入っても動揺しないくらい練習してきたから。

さあ、明日からは一世一代の大勝負。気合入れていきましょう。